給与に限らず、人事は公平でないとどこかで不満が出やすくなります。そのため、大きな観点から全社のルールを決めて、そのルールを個別判断に落としていくのが基本的なやり方です。ところが、ルールを決めていない、就業規則などが形式的なものでしかない、特定の社員からのプレッシャーが強かったなどの理由で、個別の社員ごとに、対応がばらばらになってしまっているケースがあります。そういった場合、何かが起こったときの対応を決めるために都度時間とストレスがかかったり、社員同士の不公平さに対する不満が出たりします。
根拠となるルールが明確であれば、社員も不満を抱きにくくなります。また、給与計算ソフトなどで計算を行う場合、基本的なルールをソフトに設定しておけば、あとはパラメーターとなる数値などを入力するだけで、自動的に給与の計算結果が算出され、給与計算業務はシンプルになります。
どうしても今回だけ、というような対応をしたい場合のために、調整弁となる項目を作っておくことは一つの逃げ道です。例えば、中途採用したい社員が前職並の待遇を求めていて、しかし自社の給与水準ではどうしてもそれに達しないという場合に、「調整手当」という手当を設けて前職との差額を埋め、それを入社後1年限りと定める、ということをやっている会社は多くあります。